精神科で対象とする患者さんは、非常に多いのですが、実際上の重要度からいうと、神経症、躁鬱病、精神分裂病の3つが重要です。これらについて、私なりに簡単にまとめてみました。御意見や御質問など頂けるとうれしいです。
神経症では、患者さんは頭痛などの身体症状、不安や抑鬱などの精神症状を訴えますが、身体医学的な検査では異常を認められず、それらの症状の発現に心因が大きくかかわっていると考えられます。似たような概念で、心身症というのもあります。こちらは、心因が症状の発現にかかわっているところは同じなのですが、実際に身体疾患を認めるところが大きな違いです。心身症と考えられるものは消化性潰瘍、本態性高血圧症などがあります。
躁鬱病は、感情障害ともいいます。感情というのは、落ち込んだり、逆に、非常に楽しい気持ちになったりという一般の人の普通に感じているものですが、躁鬱病の場合、これらの感情の波が、極端に大きく、また、ある感情が長く続くのが特徴です。
精神分裂病は、思考や感情などの精神活動のいくつかの面で障害が出現する病気です。症状は色々な精神活動に関係しており、また、経過も一様ではありません。一つの症状群であって、一つの疾患単位ではないと考える人もいます。